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東京創研はマクロ分析・マーケティングリサーチに基づく未来予測・市場分析を専門に20年の実績で業界をリードするコンサルティング企業です。

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コラムRECRUIT

代表取締役 清水 克彦

 
代表取締役 清水 克彦
2017年8月1日(火)
「未来予測」手法をベースとした新しいマーケティング調査のご案内

 事業環境変化の不確実性が増したといわれるなか、「未来予測」を事業戦略に取込もうという企業様が増えています。専門部署を設けた企業様も少なくありません。企業が将来を考えることは、自然なことで、逆に言えば将来を考えない企業はありません。取組みが活発化しているのは、未来予測の優劣が企業業績を左右する可能性があるという認識が強まっているためともいえます。
 「未来予測」に取組むということは、よりハッキリと未来を見ようということと同時に、どうやって自社の将来に役立つように使うかを考えようということです。少し前までは、前者に力点を置く企業様が多くみられましたが、現在では、後者の検討が進んでいるように思われます。
 未来予測の様々な予測結果は、
企業様によってインパクトが異なります。業種・業態で異なるのは、よく知られていますが、実践的には、メガトレンドと言われる誰もが認識する予測結果の中心を行くのか、つまり、真っ向から大競争に打って出るのか、そんなところは勝てないので、ニッチなブルーオーシャンを独自に探すことを重視するのかでも見方は大きく違ってきます。
 弊社の受注の傾向をみても、未来予測を特定の産業向けにカスタマイズするご依頼から、未来予測をダイレクトにビジネスチャンスに結び付けるお手伝いに、徐々に移ってきています。また、考え方の起点を未来のニーズ・デマンドに置いて、事業アイデアのナビゲートマップとする方法(弊社ではデマンドマッピング法と呼んでいる)などが最新の未来予測活用法になっています。

 
代表取締役 清水 克彦
2017年6月12日(月)
「経営デザインの革新2017」を発刊しました

 新刊の「経営デザインの革新2017」は、国内外の先進的な大企業24社の経営デザインを事例研究したものです。今回のコラムでは、何故、「経営デザインの革新」を企画したのか。少し詳しく説明したいと思います。
 弊社は、未来予測シリーズを定期的に発刊しています。未来予測の結果をみると、企業にとっての事業環境の変化は、年々大きくなっていることがわかります。背景には、メガトレンドが影響していますが、技術革新に絞っていえば、世界の技術投資は年々増加していて、技術革新のスピードは速くなっています。新興国等のプレーヤーが増加し、競争も激しくなっています。また、ビジネスモデルの研究や技術の伝播の手法(オープンイノベーションや技術情報基盤の整備等)が進歩していることで、技術の社会実装面でもスピードが上がっています。とりわけ、AIネットワークの進展は、ビジネスの枠組みに大きな影響を及ぼしています。AIネットワークは、モノにインターネットがつながるIoTと、その解釈のレベルが格段に上がるAIの進展を意味し、社会システムの変革や業務の半自動化がもたらされることが予想されます。
 報告書のなかでは、技術以外のメガトレンドの影響の主要な内容についても整理していますが、結論としては、事業環境の変化は加速していて、今までの変化とは不連続な部分が含まれていることなどが注目されます。企業は、こうした未知の部分を含んだ変化に対応して事業のフォーメーションや経営の手法(経営デザイン)を革新する必要が生じています。
 経営デザインは、多様な生物種が繁栄しているように、個別の状況によって様々な形態が成立します。むしろ、それぞれの環境に適応した多様な形態になることが自然です。それでも、生物種が、気候変動に一定の影響を受けるように、企業の事業環境の変化への適応は一定の方向性がみられると考えられます。そうした競争の方向性のなかで優勝劣敗が起こると考えられます。
 先進的な大企業を調査対象としているのは、先進的大企業が、未来を洞察し、有望な経営戦略を知悉したうえで、現実的な対応を行っていると推察するからです。先進的な大企業の戦略が、必ずしもうまくいくとは限りませんが、有力な方向性であり、規模の面から競争環境に影響を及ぼすことは間違いありません。
 報告書では、個々の事例研究に多くの紙面を割いています。これらの情報は、公開情報ですが、多くの情報ソースから抽出した情報を、未来洞察や事業フォーメーション視点から、弊社流に再構成したものです。こうした経営デザインのなかには、従来の延長線上にない戦略や不確実な未来を勝ち抜くための事業フォーメーションが見られます。
 実践的な経営デザインは、先に行き過ぎてもうまくいかないし、後れを取っても競争に勝ちにくくなっています。また、従来の結果を分析した経営戦略のなかに普遍性を見出そうとして過度に信頼することも危険です。
 現在の戦略の可否の分析や未来予測は、過去の分析に比べると、かなり見劣りのする分析しかできません。しかし、変革の時代には、粗い分析の中から勝機を見つける眼が重要になっていると思われます。

 
代表取締役 清水 克彦
2016年9月21日(水)
未来予測の活用法(3)

―何故、東京創研の「未来予測2016/2026」がお勧めなのか?−

(続き)

 検討の手法は、様々ですが、最終的には選抜されたプロジェクトのメンバーが議論して検討することになります。外部のコンサルに発注する場合もPJのメンバーが報告内容を評価できなければ、なりません。

 このとき、集まったPJメンバーは、それぞれの未来感を持っています。特に、自分の専門分野では、豊富な知識を持っているのが普通です。しかし、専門外では、かなり曖昧な知識しか持っていません。この結果、議論の多くは、マクロトレンドデータを見れば、すぐに決着がついてしまうような、極めてベーシックなところのすり合わせに時間が割かれてしまいます(このことは、未来予測のデータに確度の高いものと、かもしれない未来が混在していることも要因の一つになっています)。

 未来の事象は、多くの要素が影響しあっています。特に、どんな事業でも最終的に大きな影響を及ぼすのは、需要の変化であり、需要の変化の論理は、多くの要素によって構成されています。つまり、需要の変化は重要な論点であり、検討する事業領域における需要を、幅広いトレンドから洞察する必要がありますが、その時のメンバー毎の認識に大きなバラツキがでてしまうのです(未来予測データに精通したメンバーをPJに加えておくのもひとつの方策です)。

 未来予測・洞察のPJメンバーには、未来データをある程度インプットしていないと充実した議論はできません。ここでいう確度の高いデータは、概ね数値で示され、しっかりした根拠のあるマクロトレンドの数値です。

 
 次に、未来予測・洞察を行う上で、注意すべきは、識者や専門家の見解を鵜呑みにしてはいけないということです。こうした未来予測の多くは、必ずしも当たりません。また、誰もが予測する未来は、すでに現実となっていて、レッドオーシャン化すると予測されます。企業の戦略は、「冷徹な計算」に裏打ちされていなければなりません。誰もが予測する未来は、その半歩先まで読まなければなりませんし、自社が、そこで生まれるビジネスチャンスで競争に勝てるかどうかを評価しなければなりません。


 弊社の「未来予測」は、こうした議論のベースとして活用していただくことを目的としています。豊富な数値の掲載で、検討の土台を形成することと、着目すべき変化の基礎的なポイント・論理を示しています。数値や論理は、重要です。例えば定性的な方向感は、コンセプトで語ると、PJメンバーの受け止め方によって、同床異夢の状態になりがちです。 
 例えば、「地方は衰退する」というと、あたかも地方が消滅してしまうかのように議論するケースが見られます。実際には、衰退しますが、消滅はしません。そして、地方衰退に関する数値的なデータは、かなりの確度で認識できます。これを踏まえた議論が現実的です。

 新しいトレンドコンセプトも、多くはプロパガンダの側面があります。一方では、変化が大きく、早くなっていて、ビジネスに使える手法も革新(拡張)されています。技術の革新が速まっているのも言うまでもありません。これらを冷徹に評価する必要があるのです。また、未来は、確定しているわけではありません。自社・あるいは他社が未来を変える可能性もありえます。

 
 弊社の未来予測は、必ずしも直接、事業戦略に結び付く訳ではありませんが、自社の未来を見据えた戦略立案の議論の土台として用いる資料として有用と考えています。

 
代表取締役 清水 克彦
2016年9月20日(火)
未来予測の活用法(2)

―何故、東京創研の「未来予測2016/2026」がお勧めなのか?−

(続き)

 こうした、未来予測・未来洞察は、企業ごとに独自に行われます。何故なら、未来に起こる様々な事象は、それぞれの企業の事業内容によって重要度が違うからです。自動運転の例でいえば、自動車部品メーカーの主力の部品によって、影響度や重要度は異なってきます。企業によって深堀する領域が異なるのです。未来予測資料の多くは、全体の動きを示しています。これは、業界に絞り込んだ未来予測でも同様です。業界全体の動きを捉えていて自社の事業内容にマッチするわけではありません。

 また、戦略立案との密接な関係から、同じ業種・事業内容にあっても着目するトレンドは異なってきます。周知の有望分野に真っ向から挑戦するのか?ニッチなユーザーを見出すのか?ビジネスモデルで勝負するのか?などで影響要因やその重要度は異なってきます。
 つまり、未来予測・未来洞察は、企業ごとに英知を集結して行うべきなのです。経営戦略の手法における最後の大きな課題といってもいいと思います。


 このことは、自社事業のコアビジネスの将来を検討する際も、次世代の核となる新規事業を検討する際も(この場合、研究所から見れば、将来を見据えた重点化すべき技術テーマ・領域)同様です。


 それでは、自社で未来予測・洞察を行うとき、どのような方法がとられるのでしょうか


(続く)

  
代表取締役 清水 克彦
2016年9月16日(金)
未来予測の活用法(1)

―何故、東京創研の「未来予測2016/2026」がお勧めなのか?−

 未来予測・未来洞察は、参考(教養)としてやっておく段階から、経営戦略・事業戦略に論理的に活かす段階に入っています。
 未来に対して確度高く起こると予想されることだけではなく、起こりそうなことも、その確度に応じて戦略に組み込んでいくというような検討が進んでいます。
 未来予測は、過去・現在を詳細に分析して、未来に外挿するやり方から、不確実な未来の方向性もバランスよく取り込んで経営や事業の戦略性を高める方向に進化しています。つまり、明確なことだけを積み上げるやり方から、だいたいこうなるという洞察も含めた考え方を加えた手法が盛んになってきているということです。

 簡単に言えば、確実に起こるだろうという誰もが予測している変化に対応するだけでは、「たぶんこうなるだろう」を、うまくマネジメントした企業に負けてしまうのです。例えば、「たぶんこうなるだろう」を使うのは、戦略的な重要度が高い場合です。確度は低くても起こったら重大な影響がある事柄(チャンスや脅威)について、それ程の投資は必要としないとすれば、チャレンジされます。

 未来予測・未来洞察は、戦略立案と密接な関係にあります。未来がどうなるかをどのように認識しているかは、戦略の立案内容に大きな影響を及ぼします。例えば、自動運転がいつ頃、どんな形で社会実装されるかを予測することは、自動車関連メーカーの長期的な戦略を左右します。

 ここでいう社会実装は、技術的に可能になるということではありません。法整備がなされ、サービス体制がつくられて、量産化され(生産コストが下がり)、一般的なユーザーに受容されることをいいます。
 社会実装の態様を洞察するためには、多くの影響因子を評価し、確度を高める必要があります。そして、洞察した予測の確度と重要度に応じた戦略が立案されることになります。
 未来洞察で、すべての事柄(様々な個別事業の変容)を詳細に映し出すには、膨大な労力を必要とします。未来洞察は、業種や戦略の方向性によって、焦点を絞って深堀されます。この場合、技術予測だけでは十分ではないことは、過去に起こったことを例示するまでもありません。


(続く)

代表取締役 清水 克彦
2016年5月31日(火)
未来予測2016/2026を発刊しました。(続き)
 例えば、「AIネットワーク」というトレンドキーワードがあります。弊社ではAIネットワークの重要性を2年前からロジカルに予測しています(残念ながら未来予測2013の時点では予測できませんでした。2014年の受託作業の深堀した検討でAIネットワークのインパクトの大きさが整理できました。HP上では2015年の年初から公表しています)。
 今ではAIブームが起こっていて、国家予算も格段に増え、各種の資料も盛んに作られています。では、何故AIのインパクトが大きいと予測できたのかといえば、社会の変化の幅広いトレンドを網羅的に評価し、重要度が高いと目されたトレンドを深堀する(本質的な意味を探る)検討を行ったことによります。

 「AIの重要性を予測したのは、東京創研だけではないよ。誰でも思いつくことだよ」という突っ込みを入れられそうですが、東京創研が予測しているのは「AI」ではなく、「AIネットワーク」というところに注目してください。AIの解説は盛んに行われていますが、インパクトが大きいのは、AIを組み込んだネットワーク型の社会実装なのです。具体的なイメージのいくつかは「未来予測2016/2026」にも例示していますが、企業の将来にとっては、AIネットワークでゲームチェンジが起こるかどうかが重要になります。単なるAIの導入は、分析ツールが高度化するにすぎません(それでも少なくないインパクトはありますが)。

 この辺のことは、未来予測2016/2026の冒頭の文章に書いていますので引用させていただきます。

〜以下、未来予測2016/2026より引用〜

ゲームチェンジはここから始まる

 近年、不振に陥った日本企業で、個別の技術に後れをとったことが要因であった例は、ほとんどみられない。逆に、ゲームチェンジ(競争条件の変化)に対応できなかったため、業績を悪化させた企業は少なくない。ゲームチェンジは、不連続に起こるといわれるが、本当だろうか。過去に起こったゲームチェンジは、現在からみれば、簡単に説明がついてしまう。ゲームチェンジが起こるメカニズムや実現度・インパクトの評価に課題があるともいえる。

 今後の10年で社会に最も大きなインパクトを与えるのはAIネットワークの社会実装である。しかし、単純にAIネットワークが普及しただけでは、大したインパクトはない。かつてのインターネット・PC・スマホの実装のように、多くの企業は、働き方や事業スタイルを変えるだけに留まる。企業の浮沈を左右するようなインパクトは、グローバリズムや欲求の高度化などのマクロトレンドにAIネットワークが結び付いてゲームチェンジが起こることによる。AIネットワークのインパクトは、インターネットの実装より大きいと予想されるが、AIは手段の拡張であって、重要なのはどのようなゲームチェンジが起こるか、または、起こせるかである。

 未来は、多くの因子が相互に作用しながら形成される。様々なトレンドが複合してゲームチェンジを生み出す。自動運転を例にとれば、技術的な課題が大きな論点だったステージは終わり、社会実装の方法やプロセスをどうするかに論点は移っている。社会実装の方法やプロセスは、マクロトレンドに大きな影響を受ける。高齢化・安全安心・産業政策・安全保障・環境・都市問題などの影響度の大きさが需要の論理の背景として作用し、ゲームチェンジの起こる方向性を左右する。また、日本の医療システムは、高齢化による負担増と健康志向による高度化要求があり、AIネットワークによるゲームチェンジが胎動している。勿論、業種によっては、AIネットワーク以外の技術やトレンドから、ゲームチェンジが起こるケースも予測されることはいうまでもない。

 未来予測データ、マクロトレンドデータは、重要性の認識が広まっていながら、企業活動からは「遠い」とされ、実際には、うまく使えていない。本書では、未来予測を企業活動に取り入れていくための方法を解説し、公益財団法人未来工学研究所(世界シンクタンクランキング科学技術部門第5位)やマクロトレンド研究に関する有識者の知見を交え、主要なトレンドの網羅的な整理、マクロトレンドの抽出や統合化、ゲームチェンジの起源やシナリオを探るものとしている。
代表取締役 清水 克彦
2016年4月28日(木)
未来予測2016/2026を発刊しました。
 「未来予測2016/2026」を刊行しました。今回の未来予測は、公益財団法人 未来工学研究所に監修をお願いしました。同研究所は技術予測や研究評価などを通じて、日本の科学技術政策や研究・イノベーション学会にも様々なかたちで関わっています。

 「東京創研の未来予測は他社とどこが違うの?」と良く聞かれます。弊社の未来予測は、広範なデータや市場予測データなどが充実していることに特長がありますが、何より、未来予測に新しい分析の考え方を加えていることが他社と異なります。
 未来予測の手法は、従来からあり、市場予測などでよく使われるトレンド外挿法などに加えて、近年では専門家の集合知型や予兆分析などを用いることが主流となっていますが、これらの手法は現在の専門家の考え方や流行、あるいは過去から現在までの流れに左右されてしまうという弱点があります。従がって、不連続な変化はうまく説明できませんし、全く新しいトレンドにおけるインパクトの大きさをうまく説明できません。
 未来は過去にはなかった要素が加わり、広範な因子が作用して形成されるのです。こうしたなかで未来を見通すには、未来に適用できる客観性のあるロジックを見出す必要があります。本書の未来予測の分析の考え方もベストとは言えません。まだまだ向上させる余地が充分あると思います。
 しかし、未来工学研究所や編集委員の皆様との議論を通じて、徐々に確度の高い予測手法や企業戦略に使えるような方法を開発しています。こうした考え方が他社との違いともいえます。

(続く)
代表取締役 清水 克彦
2015年4月3日(金)
ロボット開発って間違ってない?
 ロボットブームが到来しつつあります。マクロトレンドは、ロボット時代を示唆していて、世の中には、ロボットの試作品が満ち溢れています。これからも新しい試作品が続々と生み出される予定です。
 しかし、近未来に実用化され、それなりの市場規模にまで普及するようなロボットは、今話題になっているロボットではない、というのがロボティクス調査を行った弊社の結論です。開発されているロボットのなかで市場ニーズとミートするロボットはほとんどないのです。
 では、ロボティクス市場は、全く期待できないのかといえば、そうではありません。ロボティクスのいくつかの領域は、近い将来、驚くほど大きな市場に成長する可能性があります。
 つまり、今行われているロボット開発の多くは、開発の方向や時間軸が間違っているか、開発の考え方自体が時代遅れなのです。しかも、それだけなら失敗だったね、で終わりますが、みすみすビッグチャンスを逃した(見送った)あげく、本業もマイナー化する恐れがあります。

 ロボットは、2005年の愛知万博の際、一時ブームになりました。その後、実用化には遠いことがわかり、多くの企業は戦線を縮小しました。現在、またブームがやってきています。以前とどこが違うのでしょう。ひとつは、技術が進歩したことです。もうひとつは、ビジネスのやり方が進歩したことです。大きくはこの二つです。
 技術の進歩では、知能化したこととネットワーク広がったことが最も大きな変化です。その他の要素技術も進歩していますが、飛躍的に向上した訳ではありません。
 ビジネスのやり方は、ビジネスモデルのつくり方やプラットフォームづくりの方法が大きく変化しています。市場をデザインする方法と言い換えられるかもしれません。ビジネスのやり方は、様々な方向性が見えてきているので一概には言えません。しかし、マーケットができそうだから、それに合わせて製品開発をしていこうという考え方なら、確実に乗り遅れるか、失敗します。
 例えば、旧来のように、新しく農業用ロボットを開発しているメーカーがあって、有望そうだから、うちも農業用ロボットの開発を始めようという考え方は成立しなくなっているのです。その市場は、先行メーカーまたは、ビジネスモデルを開発したメーカーが独占してしまう構造になっているからです。
 ロボティクスは、旧来の家電のような市場ではなく、ゲーム機やOSのような市場になると予想されます(実は、ロボティクスだけでなく、多くの製品市場がそうなりつつあるのですが)。つまり、プラットフォームは独占され、アプリケーションの市場のみが群雄割拠になるような市場です。

 なぜ、そう言えるかというと、ロボティクスが多くの要素技術を含んでいることやアプリケーション勝負になること(これらはネットワーク化を前提とします)なども理由ですが、何より、実用化市場と製品性能に差があり、この差をビジネスモデルで埋めることになるからです。また、メンテや最適化(ユーザーの使い込みとともにロボットも成長することなど)を必要とすることなども、プラットフォームの出来やすさを示しています。

 結論からいえば、知能化していること、及びビジネスモデル開発を伴っていることのどちらかひとつ、できれば両方の条件が備わってなければ、以前のロボット製品の延長線上の開発にとどまり、以前と同じ評価、つまり、実用化には遠いということになります。言い換えれば、先の条件が揃っていない開発は、急成長するアメージング市場にはならないということです。

 現在行われているロボティクス開発やロボティクスのマーケティングも、多くは旧来の概念で行われています。つまり、ほぼ失敗するか、失敗すると見込んでチャンスを見失います。ロボティクスの開発ターゲットは、シンプルに人間の作業負担を軽くしようとするものが多く、しかもほとんどが筋肉系の作業代替です。筋肉系の作業代替は、すでに専用機があるか、コストが見合わない分野ばかりです。こうしたことになる要因は、ロボティクスを家電のようなマーケットとして想定していて、開発ターゲットもそうした概念で捉えていることにあるように思われます。

 ロボティクスのビッグチャンスを目指すなら、マーケティングから変える必要があります。製品開発だけではなく、事業(モデル)開発のマーケティングへと視野を広げる必要があるのです。有望製品を見出そうとするマーケティングでは、有望製品は見当たらないという結論になってしまうでしょう。視点を広げて、有望な事業を創り出すという見方をすれば、全く違った有望領域、有望事業が見いだせます。事業開発を目指したマーケティングを強化すべきではないでしょうか。ロボティクスの時代は必然的にやってくるのですから。
代表取締役 清水 克彦
2015年2月13日(金)
未来予測の進歩とロボティクス(3)
 ロボティクスの歴史的な位置づけ
 現在、弊社では「ロボティクス未来市場2025」の調査研究資料を作成中です。このコラムも調査研究の合間に書いています。弊社がロボティクスに注目する理由は、大きく3つあります。第一に、歴史的な転換期に起こっている産業だということ、第二に日本の産業にとってロボティクスで世界をリードできるかどうかが将来の日本にとって大きな意味を持つと思われること、第三に、ロボティクスのビジネスモデルは、かつてない新しい形態になると予想されることです。


 
 第一の歴史的転換期の産業という意味は、図2をご覧ください(図2は、S社様の受託調査で、先に挙げた第三段階、第四段階に至る過程を説明するために作成した補助図のひとつです。S社様から公表の了承を得ています)。この図は、人間の機能の代替・拡張を軸に歴史的な変化を説明しています。
 道具による骨格の代替から、産業革命を経て筋肉系の代替、情報革命による神経系の代替へと変化しています。現在は、情報化後期の始まりにあたります。情報化後期が前期と異なるのは、神経系が集まって頭脳系が形成され、著しく発展することです。
 ロボティクスは、この神経系・頭脳系と筋肉系(工業化社会の産業)を結び付ける産業と位置付けられると考えられます。これが、「ロボット」ではなく「ロボティクス」と呼んでいる理由にもなります。つまり、ヒューマノイド型の家電のようなロボットの概念ではなく、社会システムの転換に深くかかわるような概念で捉えようというものです。

 第二の日本にとっての重要性については、次のような理由です。
 製造業の国内立地(生産性アップや付加価値づくり)やサービス業の革新など、多くの産業の先進化にロボティクスは不可欠です。何れ世界はロボット(ロボティクス)が満ち溢れることになると予想されます。
 現在、日本のロボティクスにおける要素技術の水準や厚みは世界のトップ水準にあります。しかし、産業化の過程で後れを取ってしまう可能性も否定できません。
 将来、巨大化するロボティクス市場(システム)のなかで、キープレーヤーであり続けるとは限らないのです。ロボティクスの波及性の大きさを再確認し、技術だけでなく、マーケット形成における中心的な役割を担うことの重要性を再認識する必要があると考えられるのです。
 
 第三の着目点は、オープンイノベーションや標準化、国家と企業・技術の関係など、交錯する協調と競争が、どうデザインされるか?世界の新しいビジネスルールの形成が、ロボティクス産業を巡って繰り広げられ始めていることに注目しています。
 企業と技術、国家と企業、あるいは、技術開発のあり方までがターニングポイントを迎える可能性があります。ロボティクス産業は、極めて広範なステークホルダー、要素技術産業からなり、用途分野の可能性も多岐にわたります。産業用ロボットという素地はあるものの新しい産業として飛躍する直前の状態ともいえます。こうした状況を今一度、整理しなおしてみたいと考えています。
 
 このことは、図2の下段2列とも深くかかわっています。大げさに言えば、ロボティクスのビジネス構造は、次代の産業構造の黄金律の先駆けになると思われます。

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