| 2012年4月6日(金) |
| 代表取締役 清水克彦 |
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『消費者未来予測2012/2017』の発刊によせて
最新刊『消費者未来予測2012/2017』を発刊した。今、何故、日本市場なのか。弊社では、既刊の未来予測シリーズの当初から(第一巻は2006年)一貫して、日本市場の停滞と海外進出の必然性を主張してきた。にもかかわらず、あえて今回は国内市場、とりわけ消費者の動向に注目している。これには次のような理由がある。日本市場は停滞しているが、日本企業にとっては、相変わらず大きな市場であること、デフレ傾向のなかで、低価格商品に席巻され、開発意欲が低下してしまっていること(これには海外志向を強めたため、国内市場への関与が手薄になったことも含まれる)、直近の日本の消費は拡大する可能性が高いこと、日本の経済構造がアメリカに近づき、個人消費が大きな割合を占めるようになっており、消費者の購買意欲を喚起することが、日本経済復活に欠かせないこと、などである。
日本企業の海外での成功は、国内市場のノウハウの転用が基礎である。国内市場の開発力が低下すれば、いずれその競争優位は枯渇してしまう。従来までは転用の仕方が上手くなかったため、ガラパゴスなどと揶揄されていた。それはそれで大きな課題だが、このまま国内市場の低迷が続けば、その先進性すら失いかねない。
「一定の品質を持つモノが安い」ことは、極めて強い競争力がある。殊に近年では、海外生産や国内流通の中抜き・自動化などで低価格化を実現してきた。これを消費力を失った層やいずれ価格は下がると考えるデフレ育ち層が強く支持してきた。しかし、こうした価格構造の革新は、限界にきているし、また、日本の消費者の多様化が進み、消費者のカテゴリーによっては必ずしも低価格である必要はなくなっている。日本の消費者の新しいカテゴリーについては、本書で詳しく分析しているので、ここでは省くが、ない袖は振れないというような、そもそもの消費力の格差と商品・サービスのジャンル選択の優先順位にメリハリがついてきていることなどが挙げられる。
直近の日本市場に期待が持てると本書が分析している理由は、震災の復興のためのかつてない大きな政府支出、インフレターゲット政策による資産効果、消費税引き上げ前の駆け込み需要、リーマンショック後の買い控え疲れ(地デジやエコ補助金対象を除く)、エネルギー転換に伴う需要などである。
しかし、低価格商品に慣れ、手強くなっている消費者に向けて、売れる商品・サービスを提供していくには、消費者分析も革新していく必要がある。本書はその一助として、消費者の全体像を構造的に分析しようと試みている。従来の消費者調査だけでは、「木を見て森を見ない」というようなことになりかねないし、消費者がイメージしにくい新しい消費環境や商品には有効な答えが得にくいなど、限界がある。本書がこれを解決するとまでは言えないが、消費者分析への新しい観点や商品・サービス開発のヒントは得られるものと確信する。
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